隆鼻術その1、インプラント(人工軟骨)挿入について
インプラントは、隆鼻素材として世界的にも一般的です。現在、医療用人工材料の進歩とともに非常にソフトで自然な触り心地のものが開発されています。
リッツ美容外科では、コンビネーション・プロテーゼという本来の鼻の構造に基づいて独自に設計、開発した新しいインプラントを使用しています。この最新のインプラントが人気です。
ひとりひとりの要望に沿った、究極のオーダーメイド隆鼻術で、自然にノーズアップしませんか。

隆鼻術の代表として挙げられる、インプラント挿入。
ここでは隆鼻素材であるインプラントについてご説明いたします。
隆鼻に利用される素材は、biologic materialsとalloplastic materialsに分類されます。
【biologic materials】
biologic materialsとして代表的なものには自己由来の骨、軟骨、筋膜、真皮などが挙げられます。これら自家組織は感染をはじめとする人工物特有の後遺症が無いという利点を持ちますが、反面、長期的には吸収、変形などの問題、donorの犠牲、細工のしにくさ、修正を要する場合に移植組織が癒着することにより修正自体困難になる、等の欠点も挙げられ、隆鼻素材としてその適応は限定されます。
【alloplastic materials】
alloplastic materialsとして代表的なものはシリコン樹脂です。シリコン樹脂は、生体反応が少ない安全な人工埋入補填材料として、現在まで50年近く利用されてきた長い歴史があります。長所としては、手術手技が比較的容易で、donorの犠牲もなく、細工しやすいため鼻の形態を繊細に整えやすい点が挙げられます。また手術結果が患者さまの希望に添わない場合でも、抜去、再挿入等の修正が比較的容易です。適応を見極め、手術手技も確実で、適切な大きさ・形態のインプラントを挿入する、という条件が整えば、総合的に考えると現在もっとも理想的な隆鼻素材です。
【インプラントの形態と傾向】
隆鼻用シリコン・インプラントは、その形態により大きくL型、I型に分類されていますが、L型のストラット部分を短くカットした中間型のインプラントも存在します。I型はその症例に応じて長さを調節して使用します。またシリコン・インプラントは、形態、サイズの他に、硬度もさまざまなタイプが存在しますが、できるだけsoft typeを使用するのが好ましいと考えます。Hard typeは皮膚ないしは周辺組織を圧排することにより、長期的にはいわゆるover-prominence(皮膚が菲薄化し、その存在がはっきり浮き出てしまう)となりやすい。鼻根部では鼻骨の曲面ラインに密着しにくく、humpがある場合などは特に鼻根部が浮き上がりやすく、インプラントの実際の厚みより、高さが出すぎてしまう傾向があります。
リッツ美容外科では、患者さまの要望をお聞きしたあと、綿密な手術の計画を立てます。
【手術計画】
鼻はその構造上3つの領域(鼻根部、鼻背部、鼻尖部)に分類されます。

一般的には、鼻根~鼻尖部に至るまで鼻全体を高くしたいという希望がもっとも多いのですが、鼻根部のみ、鼻根~鼻背部、鼻背部のみ、鼻尖部のみ、など多様な希望があります。隆鼻術において、そのデザインを決定する際に大切なことは、決して鼻だけを単体で見るのではなく、正貌においては内眥間距離、鼻長、鼻尖・鼻翼幅などを計測し、把握することが重要です。また側貌においては前額、口唇、頤との関係が非常に重要です。これらを総合的に判断して手術計画を立てていきます。
インプラント挿入手術の流れについて、説明いたします。

【インプラント手術手術の流れ】
①まずはじめに、理想的なインプラントの挿入位置を皮膚上にマーキングします。その際もっとも大切なことは正中ラインを見極めることです。皮膚にマーキングする際に両内眥間中央点(A)と、cupid bowの中央点(B)(口唇が偏位している場合には鼻柱基部(C))を基準点とし、A-BないしはA-Cを鼻スジ正中のラインとします。

②隆鼻術単独で行う場合と、鼻尖形成術等の併用手術を行なう場合とで、またI型、L型など使用インプラントによっても切開部位が異なります。I型インプラントを単独で行う場合は、右鼻軟骨間切開(intercartilagenous incision: IC incision)を選択します。鼻孔縁切開(rim incision)ないし鼻翼軟骨下切開(infracartilageneous incision: IF incision)ではインプラントの下端の固定位置を調節できずにインプラント自体が尾側に移動しやすく、I型インプラント挿入には不向きです。一方、L型インプラント挿入の場合には片側ないし両側のIF incisionで行ないます。
一方、当院では鼻全体の隆鼻を希望される場合には、I型インプラントと鼻尖形成術(耳介軟骨移植を含む)を併用することが多いのですが、この場合には両側IF incisionを選択します。
③鼻腔内切開後に、剥離剪刀を用いて鈍的に剥離を行ないますが、剥離層は鼻翼軟骨から外側鼻軟骨上(IC incisionでは外側鼻軟骨上)をSMAS(superficial musculo-aponeurotic system)下にて頭側に剥離をすすめ、鼻骨下端に達したところで鼻骨骨膜下にて予定ラインまで剥離を行ないます。誤って鼻骨骨膜上に剥離ポケットを作成した場合、のちにインプラントの動揺がおこるため骨膜下の確実な剥離が要求されます。

④ポケット作成後、インプラントを挿入しますが、インプラントを鼻根部まで挿入します。挿入後は視診(正・側面)、触診にて、インプラントの厚み・大きさが適当か、形状はフィットしているか、偏位なく正中に入っているか、反転・屈曲していないか等、慎重に確認します。
⑤術後は2~5日間、スキントーンテープによる固定(腫脹防止目的)を行ないます。抜糸は術後5~7日目です。腫れに関しては、大まかな腫れは5~10日間程度とお考え下さい。